フロー状態とは?
あることをしているときに、むちゃくちゃ集中して、時間を忘れて完全にのめりこみ、価値あるものを作り上げる状態。
これを「フロー状態(忘我の境地)」と呼ぶそうです。アメリカの心理学者ミハイ・チクセントミハイが提唱している概念であらゆる分野で広く認知されています。
誰でも、自分がすごく好きなことに没頭しすぎて、ご飯を食べることすら忘れていた、ということがあると思います。時間だったり自分という存在すらをもどこかいってしまい、ただただ目の前のものに取り組んでいる状態ですが、これは、人間の本能感情である「情動」を非常にうまく使っている、「情動の究極の状態」とも言えるそうです。
「フロー状態」=「情動の究極の状態」
この「フロー状態」の間は、時間の流れを忘れ、ひたすらそのことに没頭し、得も言われぬ高揚感に包まれています。
たとえば、音楽家の方が音楽をつくっているや奏でているとき、画家の方が自分の作品を描いているとき。自分が感じている内面的なものを表現しているとき、人はその状態に至福の時間を感じているようです。
毎日の生活の中でこのフロー(忘我)に入ることができていると、情動の究極の状態、つまり究極な自分らしい幸福感に包まれていることでしょう。
では、なぜ、このようにフローに入ることで幸福感を感じるのでしょうか。
これは、フローに入ることで自分自身の複雑性が増しそれが「成長」につながるからだと言われています。
日々成長している子どもは、情動を抑えこむ理性もまだ発達してないため、すぐにフローに入ることができます。
身近に子どもがいる方は、ぜひ子どもが遊んでいる様子を観察してみてください。
子どもは、自分がしたい遊びに関しては、日が暮れるまで、帰るよと言われるまで、ずっと遊んでいます。同じことの繰り返しだとしても、ずっと飽きずに続けています。
例えば、砂場でずっと砂遊びをしていたり、お気に入りの本を何度も何度も読んでいたり。こんな様子がまさにフロー体験中、という状態です。
このフロー体験が、人間の成長や幸福感には欠かせないもので、なぜならば、自分自身の能力を最大限に発揮し、自分にとって最も高い心理的エネルギーを使いながら取り組んでいるからです。
何かを得るという感覚は、フロー状態を通して、自分の今の能力ともっと複雑な能力とが絡み合い、さらに高みへと成長して力を発揮させてくれる瞬間の連続だということ。
お金をかけて楽しむ「娯楽」を対比にすると分かりやすいです。
娯楽は、気持ちのリセットやリフレッシュの為には有効に働きますが、それ自体は成長にはつながらず、一時の満足感にしか過ぎず、長い目でみたときの幸福感には貢献してくれません。
フロー状態が幸せになる秘訣だと見えてくれば、あとは、どうしたらフロー状態に入れるか、です。
チクセントミハイさんは、フロー状態に入る条件として7項目を挙げています。
1.時間の経過と共に自分が何をしたいのか分かってる
2.ただちにフィードバックが得られる
3.何をする必要があるか分かっている
4.それが難しくても可能なことである
5.時間の感覚が消失する
6.自分自身のことを忘れてしまう
7.自分はもっと大きな何かの一部であると感じる
この映像は2004年TEDカンファレンスの貴重ですが、フロー状態について分かりやすくプレゼンされています。
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