「私のルール」が破られた時
私たちは
たくさんのルール
をもっています
二度と傷つくことがないように
傷口がまたひらかないように
自分を守るために
自分で
人間関係のルール
をつくっていて
あなたは
自分にそういうルール
があることを
パートナー
家族
友だち
仕事仲間
身近な人たちに
伝えていなかった
かもしれません
それにも関わらず
本当に私を愛しているなら
本当に私を可愛いと思っているなら
本当に私が大切な友だちなら
それぐらい
知っているはず…
分かっているはず…
と考えます
よく言われるけれど
これは世の常でもあります
「ルールは破られるためにある」
そして
「すべての痛みは癒されるもの」
意図的であろうと
意図的でなかろうと
あなた以外の誰かが
あなたの決めたルールを破るのは
あなたにとって
苦しみや不利益だ
と考えますが
逆です
あなたにとって
癒しであり、利益となります
(そんなまさか…と思いますよね)
でも、試してみて下さい
あなたから進んで
あなたのルールを捨ててみる
(大変ですけどね…)
でも
あなたのルール
を破られることは
あなたが感じてしまう
過去を思い起こされてしまう
何となく嫌な感じがする
その苦しみや痛み
をぐっと一人で閉じこめずに
外に出すチャンスです
癒しと成長のために
新しいレベルでの関係性を築くために
–
そして
あなたのルール
が破られたからといって
それが
愛していない証拠
可愛いと思われていない証拠
友だちと大切に思われていない証拠
これがその証拠だ
と言わんばかりに相手を責め立てる
ことをやめてみる
それよりも
この痛みの引き金をひいてくれた
そのことに
感謝の気持ちを感じてみる
なぜならば…
もし相手がそのルール
を破ってくれなかったら
あなたはその痛みと
まともに向き合うことはできなかった
かもしれません★
–心理学的解説–
心理療法家アルバート・エリスさんの心理療法の一つに論理療法というのがあります。
人の悩みは、出来事そのものではなくて、出来事の受け取り方によって生み出されるている。だから、受け取り方を変えれば悩みはなくなる、というスタンスです。概念としては、「ABC理論」と「イラショナル・ビリーフ」がありますが、
ここで取り上げたい考え方は、イラショナル・ビリーフです。イラショナル・ビリーフとは、「非合理的な信念」と訳されますが、分かりやすくというと、思い込み、信念(=私だけのルール)という感じです。
(イラショナル・ビリーフの例)
「失敗してはならない」
「すべての人に愛されなければならない」
「世の中は公正でなければならない」
(イラショナル・ビリーフの特徴)
事実に基づいていない
論理的必然性がない
気持ちを惨めにさせる
自己否定的・悲観的な内容である
このイラショナル・ビリーフ(=私のルール)を持っていると、それらが満たされなかったときに悩んでしまうということで。
つまり、悩みとは、願望(~ねばならない、~であって欲しい)と事実を混同することで起きている。
だから、この混同を論理的に否定し、「~ねばらならない(must)」ではなく、「~であるにこしたことはない(should)」というラショナル・ビリーフ(合理的信条)へと変えていこうというのがこの論理療法の役割でもあります。
(ラショナルビリーフの例)
「失敗しないほうがいいけど、人間だから失敗することもある。失敗から学ぶべきである」
「人に愛される・愛されないとは関係なしに具体的になにかをするべきである。
その結果人が愛してくれればありがたいし、愛されなくても、もともとである。」
(ラショナルビリーフの特徴)
事実に基づいている
論理性がある
人生を幸福にする
—
私だけのルールは
あなたのビリーフ(思い込み・信念)
でもあって
それをどんなふうに
チェンジしていくのか
シフトしていくのか
そこが最終的に重要だけれど
何よりもまず
そのビリーフに気づくということが
大変なことでもあり、大切なことだと思います
なぜかというと
この気づきには
ある種のその人だけの痛みが伴うから
だからこそ、そこを気付かせてくれる人や出来事を責めたりせず
感謝しながら、ビリーフを進化させていく
このことが成長の一歩だと感じてほしいです