「ふり」草場一壽
うまくいっていないこと
もうまくいっているように見せる。
これも一つの能力・・・と言う人がいました。
それは、詐欺じゃないですか?
確かに、被害を受ける人がいれば。
ですが、被害がないとすれば?
でもそれでは本人が辛いでしょう。
本当の姿を見せるほうが辛いという人には?
悲しいときに、
悲しくないようなふりをする。
よくあります。
前者も、こちらも
心配をかけたくないという
気づかいからです。
楽しいときに、
楽しくないふりをする人もたまにいます。
いつも心配してほしい人です。
どっちがどうというものでもありません。
でも、うまくいっていないことや
悲しいこと、楽しいことも
その人の近くでその人を思いやる人
には伝わります。
そして、思いやる人は、
隠している心持をあばこうとはしません。
知らないふりを決め込みます。
「ふり」に「ふり」で応えます。
互いに元の気持ちを推し量り。
行ったり来たり。
なんだか、人間て、
こっけいで、哀しくて、そのこっけいさ
と哀しさが優しくて・・・。
by 陶彩画家 草場一壽