心の傷から回復するために大切なこと

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なによりもまず、一人でやろうとしない、孤立しないこと

心の傷から回復するために、まず忘れないでほしいこと、それは、「一人でやろうとしない、孤立しないこと」だと思っています。

なぜなら、あらゆるつながりから切れた状態、孤立や孤独こそが、心の傷、トラウマの大きな特徴の一つだからです。

つながりがない状態(孤立した状態)の中で大きなストレスにさらされると、さらに心の傷は深くなります。

孤立した状態というのは、災害や事故などで一時的に孤独になる一過性のものだけではなく、たとえば、家庭の中で家族がいても、学校の中で友達がいても、虐待、ネグレクト、無視される、いじめられる、などで、”心が孤立した状態”というのは、起こりうることなんです。

特に家族の中で、”孤立した状態”が起きているとき、そこには多くの場合、 外側にいる他人からは到底計り知れない、見えない、”隠された秘密”が存在していることもあります。

たとえば…

毎日、親から殴られているけれど、誰にも言えない。父が家に帰ってこなくなったことを、母からは、「言ってはいけない」と言われた。旦那から暴力を振るわれても、世間の目が恐わくて打ち明けられない。母がいつも家に居なくて、食事にすらありつけるか分からない。すごく厳しく躾けられて弱音すら吐かせてもらえない、素直に甘えることもできない。怖い親でいつも顔色を伺いながら、緊張感の漂う生活を送っている。兄弟の中で自分だけが厳しく咎められる、etc…

様々な事情により共有せざるを得ない”隠された秘密”によって、「自分は他の人とは違うから、絶対に誰も理解してくれない」「こんなことを言っても誰にも分かってもらえないし、信じてもらえない」と感じることで

固く口を閉ざし、たった一人で歯を食いしばって耐え忍び、そのまま大人になった方もきっと少なくないと思うのです。

最も悲しいことは、ものすごく勇気を振り絞って、どうにか周りの大人に助けを求めたけれど、全く助けてもらえなかったとき、あるいは、誰かに打ち明けたことで、事態がさらに悪化したり、その傷をさらに深める結果になったとき、なんですね。

そういう経験をしていれば、「もう助けなんて求めない」「誰かに頼っても無駄」と決心をかたくしても、それは当然のことだとも思います。

それでも、あなたを助けてくれる人は、必ず存在する

もしも、あなたもそんな経験の持ち主なら… あなたの気持ちは痛いほど分かるんです。それでも、どうかあきらめず、助けを求め続けてほしいのです

助けを求めるのは、本当にとっても勇気がいることで、特に過去に助けを求めて裏切られた経験のある人にとっては、なおさら辛いことかもしれません。

また、「助けて、なんて誰かに言うもんではない」「助けてほしい、なんて弱い人間が言う言葉だ」「助けを求めたら、弱みを握られるだけだ」というようなビリーフ(信じ込み)を持っていたら、「助けて」と誰かに言おう、という発想すらないかもしれません。

助けを求めることは、弱さでもなく、弱い人がすることでもなく、「今の自分ではどんなに頑張ってもできないことがある」という意味で、自分を知る、自分を大事にする、ことだと捉えてはどうか、と思うのです。

自分の弱さを隠さず、自分のできないことは、どんどん周りの力をかりていこう、ということができる人って、強い人だなーと思いませんか。

時には、ありったけの勇気を振り絞って助けを求めても、望んだような助けが得られず、乗り越えられずに終わることがあるかもしれません。それでも、どうかあきらめずに、別の人の力をかりられるよう、助けを求めてみてほしいのです。

そして、もっと言えば、心の傷やトラウマに苦しむ人の助けは、善意だけでは時としてとても難しいことが多いんです。それなりの経験や技術がないと、助けたくても助けられないことも非常に多いです。

なので、そういった支援や援助に特化したプロや専門家に助けを求めた方が、あなたの欲しい助けを得られる可能性はうんと高くなることを覚えておいてもらえたらな、と思います。

助けは多い方がいい

また助けてもらう場所や人は、たくさんあった方がいいんですね。助けてくれる人や場所は、少なければ少ないほど、その人や場所への依存度は高くなり、依存度が高ければ高いほど、人は不自由さを感じます。

心の傷の回復にとって、選択肢がない状態はとても辛いものなので、なるべく多くの選択肢を自分の中で持っておけるよう、助けを得られる人や場所は選べた方がいいんですね

自分の感覚を大切にする

もし助けを得られる場所を見つけたら、もう一つ覚えておいてほしいことがあります。それは、自分の感覚を大切にすることです。

たとえば、人から良い評判を聞いて会いに行ってみたセラピストさんが何となく自分には合わない気がする、あるいは、話せる気にならないな、などと感じたら、それはあなたの感覚の方が優先です。

なぜかと言うと、誰にでも合う、万能の場所や人というのは存在しないんですね。

お医者さまやセラピストに、たとえば、「あなたはこれが問題です」と決めつけられて、納得できないことがあれば、そのときも、自分の感覚を信じてあげてください。

最初はとても良いなーと感じていた場所や人が、続けていくうちにしっくりこなくなるときも、いくらでもあるんです。それは、あなた自身の成長や癒しが進んでいれば、自然に起こることなので、それまでの助けに感謝して、また進めばいいと思います。

自分にとっての真実は、自分の外側には存在せず、真実はいつも内側にある、なんですね♪ 

自分の内側にある真実を大切にできてくると、自分自身への愛着が自然と湧いてきて、心の傷がじんわり癒えてくる感覚を持てるときがきます。

もう自分の力だけでは無理だ、立ち直れないと思ったときは、助けを求めてみてください。助けを得ることは、弱いことではなく、自分をよく知ること、になると思います。

今日も、あなたの心に愛着を♪

 

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